2008年10月20日(月)

チェコはリスボン条約の速やかな批准を図る意向

プラハ(AP)

チェコは2009年1月1日のEU議長国就任前にもEU改革リスボン条約を批准する意向である。これはチェコのミレク・トポラーネク首相が月曜日プラハで、ドイツのアンゲラ・メルケル首相と会談して語ったもの。トポラーネク首相は、チェコがEU議長国として条約を批准すればアイルランドを批准へと動かすことも容易になるだろう、と語った。

トポラーネク首相はチェコでのリスボン条約の批准が「難しいプロセス」になると認めた。しかし憲法裁判所の判断が下された後は、上下両院での批准を人為的に遅延してはならない、と首相は述べた。「私は条約に伴うさまざまな問題にもかかわらず、批准を支持する」と首相は付け加えた。

メルケル首相は今年度中にも批准を目指すとしたトポラーネク首相の発言を歓迎し、「私は簡単な道のりでないことを承知している」と述べた。廃案となったEU憲法に代わるリスボン条約は、ポーランドとスウェーデンでもまだ批准に至っていない。

環境保護分野の技術革新による輸出チャンスの確保

チェコは議長国任期中にリスボン条約がEUにどのような利益をもたらすかを明らかにする必要がある、とメルケル首相は強調した。首相は世界的な金融危機を踏まえて、EUが加盟国にもたらす経済的利益をまず指摘した。金融市場の再編成にあたって、ヨーロッパは持てるすべてのウエイトを投入する機会を利用しなくてはならない、とメルケル首相はカレル大学での講演で主張した。

「EU議長国として自ら批准せずにアイルランドと交渉を行うことは難しいだろう」とトポラーネク首相は語った。アイルランドは国民投票で批准を否決し、リスボン条約の2009年1月1日の発効を阻止している。アイルランドの首相は、12月のEU首脳会議で今後の手続きについての計画を発表する意向である。トポラーネク首相は、来年の秋まではどんな決定も行われないだろうとの観測を述べた。

メルケル首相はEUに対しても、環境保護の問題で世界を主導する役割を発揮するよう勧告した。環境保護技術の革新は「老いゆく大陸」の輸出機会を確保するものだ。しかしCO2 排出削減の取り組みは、EUの工業基盤を奪うようなことがあってはならない、と首相は講演で警告した。メルケル首相とトポラーネク首相は、今年末のフランス議長国の任期中にもEU加盟国間で温暖化ガス削減割当問題の合意を得る必要があるとの認識で一致した。

原題:Tschechien will zugige Ratifizierung des Lissabonner Vertrags




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