2009年10月4日(日)08:02
ダブリン(ドイツ通信社dpa)
アイルランド国民のリスボン条約批准承認を受け、欧州連合の目は今度は東へと向けられる。条約が最終的に発効するためにはチェコとポーランドの大統領の批准が不可欠であるからである。
アイルランドは最初の国民投票で否決したのち、二度目の国民投票で圧倒的な賛成をもって批准を承認した。アイルランドの承認により、EUは包括的な改革に向けて大きく前進した。
今回の国民投票では意外なほど多くのアイルランド国民が条約に賛成した。金曜日の投票の結果は、賛成が67.1パーセントで反対は32.9パーセントにとどまった。昨年6月の国民投票では反対は53.4パーセントにのぼっていた。「アイルランド国民は明確な意思表示を行った。今日はアイルランドにとっても、欧州にとっても良い一日である」とブライアン・カウエン首相は土曜日ダブリンで語った。
EUは8年前から機構改革の努力を続けている。頓挫したEU憲法に代わるリスボン条約はEUの効率化をはかるものである。欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長はアイルランドの賛成を受け、チェコとポーランドの大統領に対し、速やかに行動するよう呼びかけた。「すべての加盟国がリスボン条約を民主的に承認した今、ポーランドとチェコでもできるだけ早く批准を済ます必要がある」と委員長はブリュッセルで語った。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は今回の決定に対してアイルランド国民に祝意を伝えた。退任を控えたフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相も、アイルランドの賛成によりEUは「必須の条約改革に向けて大きく一歩近づいた」と強調した。
しかし今回のアイルランドの国民投票では、EU改革というよりも経済的要因が決定的な役割を演じた。EU内でアイルランドほど深刻な金融経済危機に陥った国はなく、多くのアイルランド国民はEUからの支援を期待していた。加えてアイルランド政府はEUから、リスボン条約によってカトリックのアイルランドにおける妊娠中絶禁止法が撤廃されることはないなどという保証を取り付けていた。しかしリスボン条約反対派は土曜日、アイルランド国民が不安を煽られて特定の決定を強いられたと批判した。
原題:Nach Irlands "Ja" sind Tschechien und Polen am Zug