2009年10月7日(水)15:56
ブリュッセル(ドイツ通信社dpa)
チェコのヴァーツラフ・クラウス大統領は今年末までにEU改革リスボン条約の批准文書に署名する見込みである。これはチェコのヤン・フィシェル首相が水曜日ブリュッセルの欧州連合に約束したもの。
「EUが心配する理由は何もないと私は固く信じている」とフィシェル首相は欧州議長、欧州委員長、欧州議会議長とのビデオ会談を終えて語った。
「チェコの問題は批准するか否かではなく、いつ批准するかという時期の問題だ」とフィシェル首相はクラウス大統領の批准署名について説明した。「私は今年末までの批准に向けてすべての前提条件が整ったと考えている。」
先週のアイルランド国民投票での批准承認を受けて、EU議長を務めるスウェーデンのフレデリク・ラインフェルト首相、欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長ならびに欧州議会のイェジ・ブゼク議長はチェコの首相に対し、今後の手続きに関するタイムスケジュールを提示するよう求めた。EU懐疑派のクラウス大統領は、大統領と政治的に近い17名の上院議員が憲法裁判所に新たな訴えを起こしたことを理由に、条約文書への署名を拒んでいる。
「私が得たシグナルはすべて、憲法裁判所が条約の合憲性を判断し次第、大統領はそれ以上の署名遅延を行わないことを示唆している」とフィシェル首相は語った。フィシェル首相自身はリスボン条約の支持者である。
10月末には27名から構成される現欧州委員会の任期が切れる。新委員についても本来はすでに決めておかねばならないことから、EUは欧州連合の今後の法的基盤を明確にするよう迫っている。万が一リスボン条約が加盟全27ヶ国の批准を得られない場合には、引き続きニース条約が適用される。これは欧州委員会の縮小を意味する。
「いつリスボン条約が発効できるか明確にできれば、私は協議を開始できる」とラインフェルト首相は、欧州委員ポストと権限の拡大されたEU外相級ポストの人選に関して語った。「しかし協議を開始するにはまだ私たちには情報が不足している。情勢が明らかにならないうちは始められない。」
「私たちの問題は残すところチェコだけだ」とバローゾ委員長は述べた。ポーランドのレフ・カチンスキ大統領もまだリスボン条約の批准文書に署名していない。しかし、自身かつてポーランドの首相を務めたイェジ・ブゼク欧州議会議長は、「私たちは今週中にも確実にカチンスキ大統領の署名を得られるだろう」と語った。
バローゾ欧州委員長、ラインフェルト欧州議長ならびにブゼク欧州議会議長は幾度も、EUは条約に関するチェコの主権決定と憲法裁判所の独立性を尊重すると強調した。フィシェル首相との会談では、EUがいかにチェコの大統領の署名を待望しているかを首相に伝えることに主眼が置かれたという。フィシェル首相は飛行機の故障のためブリュッセルには来ず、ビデオによる会談出席にとどまった。
「どの加盟国であれこのように遅れている国ならば、その遅れが他の加盟国にいかに高くつくかを理解すべきである」。「私たちは待っているのだ」、とブゼク議長は語った。バローゾ委員長は、私は憲法裁判所が条約について合憲の判断を下すものと確信していると述べた。「なぜさらなる遅延が必要となるのか、私には分からない。」チェコの憲法裁判所はすでに二度、リスボン条約に対する違憲提訴を退けている。
原題:Prag verspricht Ratifizierung von EU-Vertrag