2009年10月13日(火)14:29
ベルリン(AP)
欧州委員会のギュンター・フェアホイゲン委員は、EU改革リスボン条約がドイツ人故郷放逐者のチェコ領の財産に対する返還訴訟の根拠にはならないとの見解を表明した。チェコのヴァーツラフ・クラウス大統領の危惧には根拠がない、とフェアホイゲン委員は火曜日ベルリンのターゲスシュピーゲル紙Tagesspiegelに語った。一方で社会民主党(SPD)所属の同委員は、チェコの不安を煽り、間接的にリスボン条約の阻止に手を貸したとしてキリスト教社会同盟(CSU)を非難した。
クラウス大統領が「この問題を今も道具として利用できるのは、ドイツ側がこの問題の延命に手を貸しているからにほかならない」。「CSUは何年も前からズデーテンドイツ郷土団体の過激な立場の代弁者になっている」、とターゲスシュピーゲル紙はフェアホイゲン委員の発言を伝えた。
ズデーテンドイツ人は第二次大戦後当時のチェコスロヴァキアから追放された。追放の根拠となったのは、当時のエドヴァルト・ベネシュ大統領によるいわゆるベネシュ布告である。チェコのクラウス大統領は先週金曜日、ズデーテンドイツ人がリスボン条約に含まれる欧州基本権憲章を根拠に、チェコ領に残されたかつての財産の返還要求を行う恐れがあるとの懸念を表明した。それゆえチェコには基本権憲章の適用除外が認められねばならないと大統領は主張した。
フェアホイゲン委員はこれに関し、ベネシュ布告はチェコのEU加盟前にすでにEUの法体系に合致していると宣言されていると述べた。ファエホイゲン委員は当時EU拡大担当委員を務めていた。「ベネシュ布告は過去の問題である。現在の欧州ではもはや何の意味もない」と委員はターゲスシュピーゲル紙に語った。
原題:Verheugen: EU-Reformvertrag hebt Benes-Dekrete nicht auf