2009年10月21日(水)10:49

ブレア前首相のEU常任議長候補案に欧州議会で反対の声

AFP

イギリスのトニー・ブレア前首相をEU常任議長に任命する案に欧州議会からも反対の声が上がった。ルクセンブルク出身のローベルト・ゲッベルス欧州議員(社会民主党)と4名のドイツ出身の欧州議員はブレア前首相のEU常任議長への任命に反対する請願書を提出した、と欧州議会の広報担当は認めた。

ゲッベルス議員らは請願書の中で、将来のEU常任議長はシェンゲン圏に属し、欧州基本権憲章を拒んでいない国から選ばれねばならないと求めている。前イギリス首相はこの条件に「まったく合っていない」。欧州議会は「欧州の顔となり声となる」EU常任議長の任命に黙ってうなずいてはならない、と議員らは主張している。

請願書を支持した4名のドイツの議員は欧州議会でも有力な議員に数えられる。クラウスハイナー・レーネ法務委員会委員長(キリスト教民主同盟CDU)、ヘルベルト・ロイル産業委員会委員長(CDU)、ヨー・ライネン環境委員会委員長(社会民主党SPD)、ならびに欧州議会自由党の広報担当を務めるヨルゴ・ハチマルカキス議員(自由民主党FDP)である。

請願書はこれから議会の署名に供覧されることになる。736名の議員の半数以上が署名すれば、請願書は決議として扱われ、欧州議会の公式見解となる。

ブレア前首相のEU常任議長任命案に対しては、すでに中小国を中心に数ヶ国が反対の意向を表明している。長い間ブレア前首相の支持者と見られていたフランスのニコラ・サルコジ大統領も最近は態度を変え、イギリスが共通通貨ユーロへの加盟を拒んでいる状況は「問題」であると、フランスのフィガロ紙Le Figaroに語った。

EU改革リスボン条約はEU常任議長ポストの創設を定めている。EU常任議長は加盟全27ヶ国の首脳によって任命され、任期は2年半で再選も認められる。欧州議会には任命に際して共同決定権がない。

原題:Widerstand im EU-Parlament gegen Blair als Ratspraesident




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