2009年10月30日(金)00:14

EU首脳会議はリスボン条約の最後の政治的障害を解決

ブリュッセル(AP)

EU首脳会議は機構改革の発効に向けた最後の政治的障害を取り除いた。加盟27ヶ国の首脳は木曜日の晩、リスボン条約のEU基本権憲章からの適用除外を求めたチェコの要求を承認した。

一方、イギリスのトニー・ブレア前首相は、欧州議会社会党の支持が得られなかったため、初代EU常任議長(大統領)ポストをめぐる争奪戦から脱落した。環境保護の財政に関する決定は、議長国スウェーデンによって(明日)金曜日に延期された。

チェコはイギリスやポーランドと同様、リスボン条約で法的効力を持つEU基本権憲章からの適用除外を付帯条項によって保証されることになった、とスウェーデンのフレドリク・ラインフェルト首相は夜遅く発表した。チェコのヴァーツラフ・クラウス大統領は、第二次大戦後にチェコスロヴァキアから追放されたズデーテンドイツ人による財産の返還・補償要求を防ぐため、この適用除外を条約署名の条件としていた。

欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長はこの日の最終記者会見で、「障害物マラソンだった。私たちは今日最後の政治的ハードルを越えた」と語った。しかしまだ法的ハードルが残っている。来週のチェコ憲法裁判所によるリスボン条約合憲性に関する司法判断を待たねばならない。

欧州社会党はEU外交上級代表を送る意向

誰が初代EU常任議長になるかという問題は、首脳会談で引き続き激しい綱引きが行われた。欧州議会社会党は影響力の大きい「EU外相」ポストの方を求めているため、ブレア前首相をEU常任議長に任命するとの案には従わなかった。木曜日の会談では、EU常任議長の候補者として、オーストリアのヴォルフガング・シュッセル元首相、オランダのヤン・ピーター・バルケネンデ首相、ベルギーのギー・ヴェルホフスタット元首相、ルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル首相などの名が挙がった。

環境保護の財政問題が2日目の主要議題

首脳会議2日目は環境保護の財政問題が主な議題となる模様である。EU議長を務めるラインフェルト首相は、木曜日の会談では発展途上国に対するEUの具体的な財政支援について合意に至らなかったと語った。とりわけドイツとフランスが、アメリカと中国が参加しない段階でコペンハーゲン気候会議までに具体的な支援額を提示することに難色を示している。

欧州委員会は、EUがコペンハーゲン気候会議で年間最大150億ユーロの支援を決定する必要があるとみている。イギリスのゴードン・ブラウン首相にいたっては、2020年以降年間で300億から400億ユーロの支援を行うよう木曜日の会談で求めた。

原題:EU-Gipfel raeumt letzte politische Huerde zu Reform aus dem Weg




ホームへ戻る