2000年10月6日(金)14:33
ワルシャワ(ドイツ通信社)
イギリスの首相は金曜日、欧州連合の将来に関する基本演説において、諸国家共同体を「超大国Superstaatではなく、超大勢力Supermacht 」につくりあげることを支持する旨表明した。
ポーランドを公式訪問した英首相はワルシャワ証券取引所において政財界の代表を前に、計画中のEU拡大は最大の課題であると同時に最大のチャンスであると述べた。
「拡大を行わねば西欧はその境界で常に不安定性、紛争および大量の移民という問題に直面することになろう」とブレア首相は強調した。「万が一東中欧の改革中の国々が、EU加盟を果たせず経済および政治の改革に対する政治的コンセンサスが崩れるようなことがあれば、敗北するのはすべての国なのである。」
2001年上半期のスウェーデンのEU議長国期間中に拡大の進展をはかる打開策がとられねばならない、とブレア首相は語った。「私は2004年の欧州議会選挙に新たな加盟国が参加することを望んでいる。」EU内に席が保証されているわけではない、と英首相はポーランド、チェコおよびスロヴァキアの首相ならびにハンガリーの外相を前に述べた。「改革は入場券にすぎない。しかし私たちはポーランドをはじめ加盟の用意がある国ができるだけ早くEUに加わることを望んでいる。」
EUは今後も唯一独自の超国家的連合にとどまるであろう、とブレア首相は欧州連邦国家の構想に関して述べた。「ポーランドのように長い間独立国家をめざして闘ってきた国々は、これをやすやすと手放すことはないであろう。私たちは私たちのさまざまな文化やアイデンティティーを守り続けるべきである」とブレア首相はヨーロッパの多様性を擁護した。求められるのは「自国の利害と公益の追求のうちに主権を調和させる、自由で独立の主権国家から成るヨーロッパ」なのである、と述べた。
それぞれの国の政府が有権者に数年間の基本政策を提示するのと同様に、欧州理事会もヨーロッパの年間アジェンダを提示しなくてはならない、とブレア首相はEUの内部改革に関して要求した。「欧州憲法をめぐる論議においては『権限憲章』を作成するのが最も現実的で望ましい。その中で、何が欧州レベルで何が国家レベルで行われるのが最適かを定めるのである。これは政治的文書であり法的文書ではない」とブレア首相は述べた。「それゆえ欧州市民にとってはずっと簡単で理解しやすいものとなる。」
「各国の議会の代表を一層強く欧州連合に参画させるために欧州議会の第二院を構成し、とりわけ欧州の立法を補充する役割を担わせるべきである。同時に第二院は欧州レベルの共同外交・安全保障政策を民主的に監督する委員会になりうる。」
「拡大後のEUの政策決定手続きは協力関係の進展を促すことになろう」とブレア首相は語った。「しかし数カ国の構成国や国家グループが一層の接近をはかる場合でも、それが他の国々を排除するような政策につながってはならない。」
原題:Blair plaediert fuer europaeische Supermacht