2000年10月9日(月) 6:43
ルクセンブルク(合同経済サービス)
EU各国の外相は日曜日ルクセンブルクにおいてEUの機構改革に関して協議を行った。具体的な成果は得られていない。フランスの欧州大臣は「きわめて難しい交渉において進展があった」と語った。ほぼ4時間におよぶ協議ではいくつかのEU加盟国による強化された協力(先行統合)、EU理事会(閣僚理事会)における票の配分、多数決決定、ならびにEU基本原則の違反に関する条約の新規則制定が議題となった。とりわけ、どのような箇所について各国が妥協の用意があるか、またどのような決定を各国が今後とも全会一致で行おうと望むのかを探ることが外相会議の意図であった。
明らかになったのはEU加盟国がまだ多くの問題について意見が分かれているということであった。日曜日午後の非公開の会議はとりわけビアリッツで開かれる首脳会談の準備に向けられた。ビアリッツでも決定に至るとは予期されていないものの、12月のニースにおけるEU首脳会談を視野に入れ、各国外相は難しい案件について前進をはかるため、あらゆる機会を利用する意向である。EU各国の大統領・首相はニースにおいてEU諸機構の改革で合意し、それにより拡大に向けて欧州連合の態勢を整える意向である。
その際、票の配分の問題は最も厄介な問題の一つとみなされており、おそらく全体の合意という枠内でしか解決の道はないと考えられている。フランスのモスコヴシ欧州大臣は、この件ではEU諸国の意見が「まだかなりかけ離れている」ものの、新規則制定への気運が認められる、と語った。協議ではEU加盟国の数およびEU人口の比率に基づく「二重の多数」が話題となっている。モスコヴィシ大臣は人口統計上の観点が票配分の唯一の根拠となってはならないことを強調した。同大臣は拒否権の問題など細部にまだ難しい問題が残っていることをほのめかした。「また、EUの数ヶ国が計画している先行統合もこれから多くの障害に行き当たることが予想される」と述べた。
モスコヴィシ大臣の言葉によればこれに関するドイツ−イタリアの提案は肯定的な反応を得たという。同大臣は、いくつかの国による密接な協力(先行統合)は他の国に対し「開かれており、かつ柔軟」でなくてはならない、と強調した。委員会の規模とその将来の権限に関しても各国の間でなお意見が分かれている。モスコヴィシは今後「大きな量子飛躍が必要である」ことを認めた。「ニースにおいて条約改正が計画どおり決まるか、まだ保証はない。議長国としてフランスは中途半端な決定を行うよりは一部を除外する方を望む」と語った。
モスコヴィシはビアリッツにおいて各国の大統領と首相の間で「オープンで率直な対話」が行われることを期待している。「わたしたちはやかんを沸騰させたいのだ」とフランスの欧州大臣は語った。ユーゴスラビアのテーマはむしろ副次的な扱いにとどまることになる。モスコヴィシは、基本原則に違反したEU加盟国に対する制裁の新規則制定を視野に入れながら、当該の条項が拡大されるべきとのコンセンサスがEU加盟国間にあると見ている。しかしこの問題に関しても基本原則と細部においてまだ意見の相違がある、と語った。
原題:EU-Aussenminister berieten Fortschritte bei Vertragsreform