2000年10月13日(金)18:07

ドイツはさしあたり自国のEU委員を断念する意向

票配分で進展があった場合

ビアリッツ(AP)

ドイツは欧州連合の改革問題で、人口に配慮した票配分が行われるならば、当面はEU委員会の一名の委員ポストを断念する用意があることを明らかにした。これはドイツ政府筋が金曜日ビアリッツでのEU首脳会議の枠外で述べたもの。ドイツ政府は、拡大後のEU委員会を最大でも20名の委員に限定し各国が輪番制で務めるとしたフランスの提案に賛成すると述べた。

その主張に従えば、これはドイツから現在のように二名の委員が選出できなくなることを意味する。「われわれはたとえば票配分のようなきわめて重要な問題で進展が得られるならば、実際上二名選出の権利を半名のポストに削る用意がある。」もし現在の票配分の規則がそのまま適用されれば、25カ国に拡大したEUにおいて17カ国の小国が57票を握り、EU最大の8000万以上の人口を抱えるドイツは10票以下ということになってしまう、と政府筋は語った。会話の中で紹介された提案では、人口比に応じて票配分を行い、最小のルクセンブルクは3票程度、ドイツは33票、他の国はその中間というものが注目される。

金曜日のビアリッツにおける大統領・首相協議では先行統合についても進展が得られた、と政府筋は語る。これまで先行統合を進めるにあたっては半数の国々の参加が必要という定足数の条件があり、またあらゆる国に拒否権が認められていた。ドイツはこの定足数を三分の一に減らし、拒否権を削除することを求めている。拒否権に関しては政府筋は金曜日に楽観的な見通しを述べた。

議長を務めるジャック・シラク仏大統領は、全会一致の決定から多数決原則に移行させるべき5つの「難しい分野」を挙げたという。すなわち社会政策、司法・内務、外交政策、反差別政策および租税政策である。政府筋はドイツはこの点あらゆる規則について検討する用意があるが、社会政策に関してはドイツの共同決定制度を眠らせるつもりはないと言う。ドイツ側の考えでは加えて構造的経済政策、環境政策、自国の防衛を除く外交・安全保障政策、ならびに人事任命も多数決で決定すべき分野として扱われるべきであるとしている。

原題:Deutschland zu zeitweisem Verzicht auf EU-Kommissar bereit
Bei Fortschritten bei der Stimmengewichtigung