2007年9月13日(木)18:33
ワルシャワ(AFP)
10月に予定されているEU改革条約の採択をめぐり、ポーランドはイギリスと同様に欧州基本権憲章に加わらない意向を公式に表明した。ポーランド外務省は、我が国はイギリスに対する例外規定に合流すると述べた。EU各国首脳は6月の首脳会議で、欧州基本権憲章に初めて法的拘束力を持たせるEU改革条約に合意していた。しかしイギリス政府は基本権憲章がイギリスには法的拘束力を持たないとの例外規定を獲得している。
「ポーランド政府は、憲章中の道徳や家族に関する規定がポーランドの立法と対立し、訴訟につながることを危惧している」と外務省のローベルト・シャニアフスキ広報官はAFP通信に語った。ポーランドはとりわけ同性愛者間の婚姻規定を拒否している。
外務省の説明では、ポーランドは代わりに、基本権憲章および憲章に定められた諸価値に対する加盟国の尊重を記した条項を加えるよう交渉する意向であるという。
ポーランド・ドイツ関係のマリウシュ・ムシンスキ政府担当官は、基本権憲章への加盟はドイツ人故郷放逐者のポーランドに対する財産返還請求にも影響を及ぼすと指摘した。基本権憲章は相応の補償なしの収用を禁じているので、この問題で法的安定を図ろうとするポーランド政府の努力を故郷放逐者が停滞させる恐れがある、とムシンスキ担当官はガゼッタ・ヴィボルツァ紙Gazeta Wyborcza掲載の論説で述べた。
またポーランド外務省は声明の中で、いわゆるイオアニナ条項を改革条約に明記するよう求める政府の意向を強調した。これは望ましくない多数決決定を延期する拒否権を加盟国に認め、ドイツのような大国に抵抗する権利を保証するものである。
6月のEU改革条約の合意以来、ポーランドはたびたび、基本権憲章や拒否権の問題ではまだ不明確な点が残っていると主張してきた。これに対し、EU議長を務めるポルトガルは、条約を変更しないようEU加盟国に勧告している。ポルトガル政府は10月18日と19日に開かれるEU首脳会議で、最終的な合意を導く意向である。合意が得られれば、フランスとオランダの国民投票で否決されたEU憲法に代わる改革条約は、加盟国の批准を経て2009年春にも発効する可能性がある。
原題:Polen will nicht der EU-Grundrechtecharta beitreten