2009年9月18日(金)16:59
AFP
ドイツは最終的にEU改革リスボン条約批准への道を開いた。連邦議会に続き連邦参議院も付帯法案を承認した。4条から成る付帯法案は連邦議会と連邦参議院のEU政策への関与を規定したものである。
法案はEUの票決規定が変更される場合、たとえばドイツが拒否権を失うような場合、あるいはEUが新たな権限を獲得する場合、今後は連邦議会の承認なしでこれを認めてはならないと定めている。他の分野においても今後はさらに包括的に、また早期にEUの立法について連邦議会に情報が提供されねばならないとしている。
EU政策における連邦議会と連邦参議院の権限拡大を定めたこの法案、およびリスボン条約批准のための基本法改正、ならびにこの分野における国と州の協力関係の規定について、連邦参議院は全会一致で承認した。政府と連邦議会の協力に関する、承認を必要としない法案についても、連邦参議院は異議を唱えなかった。
一方チェコでは、それでなくとも困難なリスボン条約批准プロセスをさらなる停滞に陥れる動きがある。右派の上院議員のグループがプラハでリスボン条約の違憲訴訟を起こすと発表した。訴状は9月29日に正式に憲法裁判所に提出される、とジリ・オーバーファルツァー上院議員は語った。
原告となる上院議員らはリスボン条約が完全に憲法に違反しているとの判決は期待していないという。「しかしチェコの憲法裁判所もドイツの憲法裁判所と同じことはできると思う」とオーバーファルツァー議員は述べた。ドイツ連邦憲法裁判所は議会の共同決定権強化を求めていた。
欧州連合の改革をはかるリスボン条約についてチェコの世論は分かれている。とりわけヴァーツラフ・クラウス大統領は批判的な見解を示している。大統領はこれまで条約の批准文書に署名していない。大統領は公式的には10月2日のアイルランドの批准国民投票を待つ意向である。
原題:Bundesrat macht Weg fuer Lissabon-Vertrag endgueltig frei